推し活をしていると、感想をうまく言葉にできないことはありませんか。
「よかった」「最高だった」という気持ちはたしかにあるのに、それ以上の言葉が出てこない。SNSで他のファンの丁寧な感想を見るたびに、なんとなく自己嫌悪に陥る。そういう悩みを、私もずっと抱えてきました。
この記事では、三宅香帆さんの『「好き」を言語化する技術』を実際に読んだ正直な感想をお伝えします。読んでみて、「語れない」原因が語彙力ではなかったと気づきました。感想を言葉にするための考え方が少し変わった話を書いています。「この本が自分に合うか知りたい」と感じている方の参考になれば嬉しいです。
- 推しへの感想を「やばい」「最高」以外の言葉で伝えたい人
- 他のファンの感想を見て、自分の感じ方に自信が持てない人
- 「うまく語れない自分」に劣等感や罪悪感を感じている人
推しへの気持ちはあるのに、感想を言葉にできなかった話

ライブが終わった後、「最高だった」しか言葉が出てこなかった
私は声優さんのライブによく足を運びます。あの空間の中で感じる興奮や感動は、毎回本当にすごいです。ステージを見ながら「好きだな」と思う瞬間もたくさんあります。
でも、ライブやイベントの後でモヤモヤした気持ちになることがあります。
スマートフォンを開いて感想を書こうとすると、「最高でした」「よかった」以上の言葉が出てこない。他のファンがセットリストの流れに込められた意図を読み解いていたり、あの場面で感じた気持ちを丁寧な言葉で綴っていたりするのを見るたびに、言葉にならない焦りを感じます。
自分の感想が「薄い」気がして、情けなくなった
「私だって感動していた。なのに、なぜ言葉が出てこないんだろう」
そういう気持ちが、ずっとありました。語彙が足りないのか。感受性が低いのか。でも感動はしていたはず。でも言葉にしようとすると「よかった」しか出てこない。
他のファンのように語れないのは、自分の熱量や感じ方の問題なんだろうか、とどこかで思っていました。長年そういう気持ちを抱えながら、でもどうすればいいかわからないまま過ごしていました。
『「好き」を言語化する技術』はどんな本か
著者は推し活をこよなく愛する書評家
著者の三宅香帆さんは、文芸評論家・書評家として活動しながら、アイドルや宝塚をこよなく愛する推し活ユーザーでもあります。書評家として培ってきた言葉の技術を、推し語りに応用した一冊です。2024年7月に発売され、SNSや口コミで話題が広がり、25万部を超えるヒット作になっています。
SNS発信・ブログ・ファンレター・友人との会話など、発信の場ごとに「自分だけの言葉で感想を伝えるコツ」が書かれています。推し活をしている人だけでなく、映画や音楽など「好きなもの」があるすべての人に向けて書かれた一冊です。
「やばい!」しか出てこないのは、語彙力の問題ではない
この本を読んでまず驚いたのは、「語彙力がなくても関係ない」という主張です。
言語化できないのは言葉を知らないからではなく、言語化の方法を知らないだけだというのです。それを読んだとき、少し肩の力が抜けた気がしました。語彙力の問題じゃないなら、やり方を変えればいいだけかもしれない、と思えました。
この本が教える「自分だけの言葉」を作る3つのコツ

コツ① 自分の感情を一番大切にする
他の人の感想を先に見てしまうと、自分の感じ方が上書きされてしまいます。本書では「自分の感情が一番大切」と繰り返し書かれています。
ライブや作品に触れたとき、まず自分の感情に目を向けること。他と比べて正しいとか間違いとかではなく、「自分はどう感じたか」を出発点にすること。それが言語化の出発点になる、と私は感じています。
コツ② 妄想をこねくり回して感想を生み出す
「なんでよかったのかな」「どこがよかったのかな」と、頭の中でぐるぐると考えること。著者はこれを「妄想する」と表現しています。
「なぜ?」を繰り返すこと自体が、自分の言葉を育てていく、という考え方です。
「ちゃんとした感想を言わなきゃ」と思い込んでいた部分が、少し楽になった気がします。
コツ③ よかったところを細分化するだけでいい
「最高だった」を「何が最高だったのか」に分解していきます。声だったのか、表情だったのか、選曲の流れだったのか、あのひとことだったのか。細分化するだけで、それがそのまま「自分の感想」になっていきます。
語彙力や文章力がなくても、細かく分けて書き出すだけで自分だけの言葉になる。この本を読んで、そこが一番刺さりました。
読んでから変わったこと|私の正直な体験
SNSを見る前に、自分の感想を先にメモするようにした
この本を読んでから、ライブの後にSNSを開く前に少し時間を取るようにしました。「今日のどの場面が印象に残ったか」「なぜそれが印象に残ったのか」を、短くてもいいのでメモする。それだけです。
最初は「よかった」しか書けませんでした。でも続けていると、「あの場面で声のトーンが少し変わった気がした」とか「あの選曲の流れで気持ちが動いた」とか、少しずつ言葉が出てくるようになりました。
うまい感想かどうかは関係なく、自分の言葉が出てくること自体が、なんとなく嬉しかったです。
「語れない自分」を責める気持ちが薄れた
でも、変わったのは言葉の量だけじゃなかったんです。他のファンの長い感想を見ても、以前ほど「自分はダメだ」と落ち込まなくなりました。自分の感じ方は自分のものでいい、という感覚が少しずつ育ってきた気がします。
完全に変わったわけではありません。でも、感想を書くことが少し怖くなくなった。それだけでも、この本を読んだ意味があったと思っています。
他の読者の声
読書サイトやAmazonのレビューを見ると、「語彙ではなく感情との向き合い方の本だとわかった」「読んでから感想を書くのが楽しくなった」「自分の言葉を大切にしていいんだと気づけた」という声が多く見られます。
一方で、「具体的な表現フレーズを求めていたので期待と違った」「考え方の話が中心で実践的ではないと感じた」という意見もあります。読む目的によって感じ方が分かれる本のように思います。
正直なデメリット|こんな人には合わないかもしれない
「すぐ使えるテクニック」を求めている人には物足りないかもしれない
この本は、語彙を増やしたり、上手な文章の書き方を教えたりする本ではありません。「自分の感情をどう扱うか」という考え方の本です。
「読んだ翌日からすぐに感想がうまく書けるようになる」という目的で読むと、期待と違うと感じることがあるかもしれません。
でも「感じ方の土台」を変えたい人には響く
「うまく書く」より「自分の言葉で書く」を大切にしたい人には、この本の考え方は確かに響きます。
テクニックではなく、感じ方の根っこから変えていきたいと思っている人に向いている本だと、私は感じています。
特にこんな人に読んでほしい
- 推しへの感想を「やばい」「最高」以外の言葉で伝えたい
- 他のファンの感想を見て、自分の感じ方に自信が持てない
- ライブや作品に触れた後、感情はあるのに言葉が出てこない
- SNSで感想を書くのが怖い、恥ずかしいと感じている
- 「うまく語れない自分」に劣等感や罪悪感を感じている
まとめ|「語れない自分」を責めなくていい

語彙力が足りないとか、感じ方が浅いとか、そういう話じゃなかったのかもしれません。この本を読んで、そう思いました。
感じていたのに言葉にできなかったのは、やり方を知らなかっただけだったのかもしれません。
「語れない」に悩んでいる方に、ぜひ一度手に取ってみてほしい一冊です。私自身、もっと早く読んでいればよかったと感じています。
- 「やばい!」しか出てこないのは語彙力の問題ではなく、感情の取り扱い方の問題
- 3つのコツ:①自分の感情を大切に ②妄想する ③よかった点を細分化する
- SNSを見る前に自分の感想を先にメモするだけで変わる
- テクニックより「感じ方の土台」を変えたい人に向いている本
📚 「好き」を言語化する技術推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない
著者:三宅香帆 出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン(2024年7月)
推し活の感想・言語化・他人の意見に流される悩みについて、あわせて読んでほしい記事があります。



よくある質問
Q:推し活をしていない人にも役立ちますか?
映画・音楽・本など「好きなもの」があれば、推し活以外でも参考になると思います。推し活ユーザーが主な対象ですが、感想を言葉にしたいと思っている人なら幅広く読める内容です。
Q:読むのにどのくらいかかりますか?
携書サイズのコンパクトな本で、2〜3時間あれば読み終われると思います。通勤時間にも読みやすい分量です。
Q:感想が「やばい!」しか出てこないのは、才能の問題ですか?
この本では「才能でも語彙力でもなく、やり方の問題」と明確に書かれています。感じる力は十分にある、という前提でコツを教えてくれる本です。

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