日常生活の中で対人関係に疲れを感じることはありませんか。あるいは、子育てでイライラしてしまう自分に罪悪感を覚えることはありませんか。
「もっとうまくやれるはずなのに」「なぜこんなことで怒ってしまうんだろう」と自分を責めてしまう。私も何度もそんな経験があります。
この記事では、岸見一郎・古賀史健著の『幸せになる勇気』を実際に読んだ正直な感想をお伝えします。アドラー心理学の「知っている」から「実践する」への橋渡しになった一冊です。対人関係や子育てのことで悩んでいる方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
- 対人関係に疲れを感じていて、何かヒントを探している
- 子育てで叱りすぎる自分に悩んでいる
- 『嫌われる勇気』を読んだが、どう実践すればいいかわからない

『幸せになる勇気』はどんな本か
岸見一郎さんと古賀史健さんが共著した『幸せになる勇気』は、2016年に刊行されたアドラー心理学の続編です。前作『嫌われる勇気』と同じく、哲人と若者の対話形式で話が進みます。
前作が「アドラー心理学とは何か」を問いかける本だとすれば、続編は「その考え方を使ってどう実践していくか」を掘り下げる本かと思います。愛・仕事・教育をテーマに、「自立」と「愛」の具体的な意味を掘り下げていきます。
Amazonや書店でのレビューを見ると、前作を読んでから続けて読んだという方が多く、「前作より深いところまで踏み込んでいる」という感想も多く見られます。
『嫌われる勇気』を読んで、続編を手に取った理由
数年前、心が苦しくなって、会社に行けない日が続いたことがありました。
それがきっかけで、心理学の本を読むようになりました。そのなかで出会ったのが『嫌われる勇気』でした。「課題の分離」という考え方に触れて、少し気持ちが楽になった記憶があります。
ただ、読み終えた後も「わかった気はするけれど、具体的にどうすればいいのかわからない」という感覚が残っていました。知識として入ってきても、日常の中でどう使えばいいのかが、なかなかつかめなくて。
続編があると知ってすぐに手を取ったのは、実践的な方法を知りたかったからです。
読んでから変わった3つのこと
具体的に変わったことを、3つお伝えします。
① 子どもへの接し方が変わった

私には5歳と2歳の子どもがいます。子育てをしていると、「先回りして手を出してしまう」場面が多くあります。食事をこぼすかもしれないから私がやる、難しいから私がやる、と。
この本を読んで、「信頼する」ということについて改めて考えさせられました。アドラー心理学では、子どもを「できる存在として信頼すること」の大切さが語られています。
読んでから、少し意識が変わりました。たとえば娘が重い水差しでお茶を注ごうとするとき、以前は「こぼすから」とすぐに止めていました。今は、少しだけ見守るようにしています。こぼしたら拭けばいい。そう思えるようになったのは、この本を読んだ影響が大きいと感じています。
② 対人関係の苦しさの正体が少し見えてきた
この本には、人間関係についての考え方が前作よりさらに詳しく書かれています。「すべての悩みは対人関係の悩みである」というアドラーの考えを、具体的な場面を通して深く掘り下げていきます。
本の中に、他者の目が気になって赤面症になったという話が出てきます。それを読んだとき、まるで自分のことのようで驚きました。
「人の目が気になる」「どう思われているかが怖い」という感覚は、承認欲求と深く関わっている。そういう苦しさの正体が少し見えてきた気がしました。
完全に解決したわけではありません。でも、「なぜそう感じるのか」が少しわかるだけで、気持ちの重さが変わる気がしています。
③ 「今日一日」を大切にするようになった

この本の後半に、「今この瞬間を生きる」というアドラーの考え方が出てきます。過去を引きずったり、先のことを心配しすぎたりするより、今日一日をどう生きるかに集中することの大切さです。
完全に実践できているわけではありません。ただ、以前より少し意識が変わりました。通勤途中に不安なことを考えていても、「今この瞬間にできることは何か」と問い直すようにしています。
それだけで、少しだけ気持ちが落ち着くことがあります。小さな変化ですが、その小さな変化を大切にしたいと感じています。
他の読者の声
AmazonやX(旧Twitter)のレビューを見ると、「前作よりさらに深いところまで踏み込んでいる」「課題の分離の先にある愛の話が心に響いた」「前作を読んでいると腑に落ちる内容が多い」という声が多く見られます。
一方で、「前作ほどのインパクトはなかった」「哲学的な議論が続く部分は読み返しが必要だった」という感想もあります。読む準備やタイミングによって、感じ方が変わる本かもしれません。
正直なデメリット
正直なところも書いておきます。
【『嫌われる勇気』を読んでいないと少し入りにくい】
この本は前作の続編として書かれているため、前作の登場人物や考え方が前提になっている部分があります。初めてアドラー心理学に触れる方は、前作から読む方がスムーズだと思います。
【哲学的な議論が続く部分は読み返しが必要なことがある】
対話形式なので読みやすいのですが、哲学的な議論が続く場面では、何が言いたいのかをつかむのに少し時間がかかることがあります。何度か読み返すことで、少しずつ理解が深まっていく感覚があります。
この点を「難しい」と感じるか「考えさせられる深さがある」と感じるかは、人によって違うかもしれません。
特にこんな人に読んでほしい
- 対人関係に疲れを感じていて、何かヒントを探している
- 子育てで叱りすぎる自分に悩んでいる
- 『嫌われる勇気』を読んで、もっと深く理解したいと思っている
- 「今日一日」を大切に生きたいと感じているが、うまくできていない
まとめ|もう一歩前に進みたい人に、読んでほしい一冊
アドラー心理学を「知っている」から「実践する」へ。そこに橋をかけてくれる一冊だと、私は感じています。
対人関係の苦しさ、子育てのイライラ、今この瞬間に集中できないもどかしさ。そういった悩みを持つ方に、ぜひ一度手に取ってみてほしいです。前作と合わせて読むと、さらに深く理解できると思います。
私自身、まだ完全に実践できているわけではありません。でも、読む前より少しだけ前に進めた気がしています。
- 前作『嫌われる勇気』の続編。愛・仕事・教育をテーマにしたアドラー心理学の実践編
- 子どもへの接し方・対人関係の苦しさ・今日一日を大切にする3つが変わった
- 前作を読んでいると腑に落ちる内容が多い。初めての方は前作から読むのがおすすめ
- 哲学的な議論は読み返しが必要なこともあるが、繰り返し読む価値がある
📚 幸せになる勇気――自己啓発の源流「アドラー」の教えII
著者:岸見一郎・古賀史健 出版社:ダイヤモンド社(2016年)
また、対人関係の悩みや自己否定について、あわせて読んでほしい記事があります。こちらも参考にしてください。



よくある質問
Q:『嫌われる勇気』を読んでいないと読めませんか?
読んでいない方でも読めますが、前作の登場人物や考え方が前提になっている部分があります。前作から読む方がスムーズで、内容の理解もより深まると思います。
Q:子育て中でない人にも役立ちますか?
子育てに関する話題も多いですが、中心は対人関係・自立・愛というテーマです。子育て中でない方にも十分読める内容で、日常の人間関係に活かせる考え方が多くあります。
Q:哲学的で難しそうですが、読み切れますか?
対話形式なので、哲学書のような難解さはありません。ただ、考えさせられる部分も多いので、じっくりと時間をかけて読むのがおすすめです。電車の中よりも、落ち着いた環境で読む方が内容が入ってきやすいかもしれません。


コメント